ゲーマーズ感想

ゲーマーズ!のアニメ見たので感想でも。最初は、「あーよくあるオタク恋愛ものね、はいはい」みたいな印象だったのですが、2話あたりからぐいぐい引き込まれてあっという間に見終わっちゃいました。ラブコメものとしてかなり秀逸な作品だと思います。

f:id:kuyupoyo:20180321151457j:plain

ポンコツヒロインかわいい。以下ネタバレあるので気になる人は注意。

作品のあらすじ

ゲーム好きな男女4人+ふつーの女子一人の計5人によるラブコメです。

f:id:kuyupoyo:20180321152219j:plain

f:id:kuyupoyo:20180321152238j:plain

 この5人ですね。雨野×天道と祐×亜玖璃が付き合っていてお互い相思相愛なんだけど、勘違いから互いの浮気を疑うみたいな展開になります。

 

2つの視点

 この作品の優秀な点として、相互補完的な2つの男視線を導入したことが挙げられます。当たり前のことですが、オタクコンテンツというのは圧倒的に男性消費者が多いので、男を主人公にしたほうが多くの消費者にとって感情移入しやすくなります。ただ、オタク主人公にすると、「ヘタレ、キモオタすぎる」という点から消費者に嫌悪感を抱かれることがあります。あとは同族嫌悪というのもありますが。例えば、カオスヘッドの主人公の主人公とかもなかなか受け入れ辛い印象です。このような理由からオタク主人公視点にすると、なかなか感情移入がし辛いという問題が発生することがあります。 

 その点この作品では、オタクよりの視線である雨野と、一般人よりの祐の視線を導入することによりそのようなミスマッチを防いでいます。また、祐の設定が「中学ではゲームオタクでハブられていたことから、高校からイメチェンしてリア充になった」となっていて、ある程度我々でも受け入れやすいようにしているところに工夫が見られます。

 このように消費者の作品への没入をなめらかにする工夫が見られるのがこの作品のいいところですね。

 

悪意の不在

 この作品は、ラブコメの原動力に悪意が介在していないのが斬新でした。

 古今東西、愛と悪意は、愛憎という言葉から分かるように切っても切れない関係です。アニメ界での古典的ラブコメ(まだ古典というほど古くはないかもしれませんが)であるとらドラ!もやはり櫛枝と川嶋の衝突に見られるような愛ゆえのぶつかりが多発していた作品でしたし(そこがよいのですが)、やはりラブコメでは、物語の駆動力として思いと思いのぶつかりを利用することが多いです。そして、その思いというのは得てして悪意という形で顕在化します。そこで、どうしても消費者はその悪意に対して不快感というか、ストレスを感じてしまうんですよね。そのストレスというのは、後になんらかの形でカタルシスに昇華されるのでいいのですが、どうしてもシコりのようなものが残ってしまう、というのが自分のラブコメ作品を見ていてよく感じる感想でした。

 その点、ゲーマーズでは悪意を介在させることなく、物語を駆動させているのが斬新でしたね(途中まで)。

f:id:kuyupoyo:20180321155652j:plain

亜玖璃お手製関係図

 

上の画像が5人の勘違い関係を表しているのですが、この勘違いが何の悪意もなく、お互いがただ善意で行動している結果生じているというのが、他のラブコメと違った面白さだなと感じました。

ただ、千秋が自分の思いに気づいて、ラブコメに本格参入してくると、妹のちょっかいも重なって、悪意が出てくるのが自分的にはちょっとマイナスポイントでしたね。

 

結論

難しいこと考えなくても、とくに6話辺りまではテンポよく進んで、爆笑しながら見れるのでかなりいい作品だと思います。後半は少しテンポダウンしますが、それでも初々しいポンコツヒロイン天道花憐が見れるので素晴らしいですね。